【Vol.15】心の中にある玉ねぎの皮をむいてみる?〜自分の中にあるものを言葉にして口にしてみた先に現れるもの〜

こんにちは。大人のADHD・HSP専門コーチの原 登志文(はら としふみ)です。
「何かしようとしても、なぜか心に引っかかるものがある」
「トラウマのように自分を止めている感じがして、思ったように行動できない」
「ことあるごとに思い出しては、気分が憂鬱になってしまう」
日常生活の中で、そんなブレーキを感じることはありませんか?
実は、その引っかかりを解消し、自然と前に進めるようになるシンプルな方法があります。
第1章:言葉の「玉ねぎの皮むき」プロセス

自分の中を探ってみて、感じたことや湧いてきたことを、実際に言葉として口に出してみます。
ひとつ言葉を口に出してみると、まるで玉ねぎの皮が一枚めくれたように、次の一層が現れます。その層をしっかりと感じてみると、また新しい言葉が湧いてきます。
時に、それは言葉ではないこともあります。恐怖や緊張、怒り、悲しみといった感情そのものであることもあります。
言葉にできるなら言葉にし、言葉にできないときは「ただそれを出すこと」に許可を出してみます。そうして感情が外に出ていくと、また皮が一枚めくられ、次の層が出てきます。
玉ねぎの形が丸いように、表面の皮をめくってみたら、裏面からまったく関係のない出来事の思い出や、自分でも意味が理解できない言葉が湧いてくることもあります。
その言葉も否定せず、拒否もせず、ただ湧いてきたまま言葉にしてみます。
実際に口に出したものを自分の耳で聴いてみて、どう感じるかをしっかりと味わってみます。
その感じた感想もまた、一つの皮として言葉にして吐き出していきます。
第2章:もつれた糸がほどけ、「解決しない問題」がブレーキにならなくなる瞬間

言葉を出していく過程で、当初のテーマとは「別のテーマ」が現れることもあります。
それは、心の中で複数の課題がもつれた紐のようにぐじゃぐじゃになっていた状態です。
ですが、「もう一つテーマがあった」と気づくだけで、一瞬で絡んでいた糸は2つのラインに分かれることもあります。
どちらのラインからでも構いません。それを出発点として手繰り寄せ、探究していく作業を行いながら、再び玉ねぎの皮をむいていきます。
ひとつの玉ねぎの皮をむき終わった感覚がしたら、もう一本のラインをたどってみます。
その時、最初から「このラインは扱わなくても大丈夫」と感じることがあります。逆に、そのラインが最初のテーマよりも太く感じられることもあります。時には、そのラインをたどっていった先で、「あ、これは今すぐには解決しない(解決できない)問題なんだ」と気づくことがあります。
実は、「解決しない問題」があることに気づき、その存在をただ認める(しっかりと存在させる)だけで十分なことも多いのです。
「これは解決しない問題として、そこにある」と受け入れられると、不思議なことに、その問題はあなたの現実の生活に何も影響を与えなくなります。
「解決しない問題」であり、確かにそこに存在しているのに、行動のブレーキとして作用しなくなるのです。
理由や理屈は分からなくても、重荷が降りたかのように、現実の世界で軽やかに行動している自分に気づくことになります。
第3章:踏んでいたブレーキが外れる「あっけない」ほどの変化と、その先へ

こうした探究を続けているうちに、一見まったく関係がないと感じていた言葉同士に、ふと「つながり」を見つける瞬間が訪れることもあります。
「まったく関係がない」と思っていたことが、次の瞬間、まるでコインの裏表のようにピッタリとくくっついていたことに気づくのです。
裏側の言葉もしっかりと言葉にして自分で聴いて味わっているうちに、ふと何かが突き抜けたような軽さを感じます。
この探究を続けていくと、一度のセッションで「もう何もない」に辿り着くこともあれば、たどり着いた先に何か温かいものを感じる人、あるいは何かどす黒い得体の知れない存在を感じる人、無限に続く気配を感じる人もいます。
しかし、どんな場合でも、セッションの前後では明らかな感覚の違いが生まれます。
セッションを終えて日常に戻り、自分の言動を観察してみると、驚くような変化に気づきます。
踏んでいたブレーキが自然と外れ、アクセルを踏んでいるつもりもないのに、思った以上のスピードで動き出しているのです。
「テーマとは全く関係のない言葉だったはずなのに、なぜか問題が解消していた」
「こんなに簡単に結果が出てもいいの?」
「何もしていないのに、なんで自分が変わっているの?」
無理にポジティブシンキングをしたわけではありません。
ただ、口に出した言葉を自分の耳で聴くことで、自分自身で全体のつながりに気づき、その存在を認めただけ。たったそれだけで、誰かへの恨みや過去の後悔すらも、コインを裏返すように「心の底からの感謝」や「これからの人生の糧」へと変わっていきます。
無理に目標を設定して自分を奮い立たせなくても、ただ自分の中にある「小さな想い」や言葉を拾い上げて探究していくだけで、頭で決めた目標のさらに上を行く前進が始まります。
もし今、あなたの中に言葉にならない引っかかりやモヤモヤがあるなら、ぜひ一度、その「玉ねぎの皮」を1枚だけ言葉にして、口に出してみてください。その言葉を自分の耳で聴いたとき、あなた自身も想像していなかった「本当の想い」と前進のきっかけが、静かに姿を現すはずです。
ただ、この「玉ねぎの皮むき」は、ひとりで行おうとすると途中で思考の渦に飲み込まれてしまうことも少なくありません。
自分の言葉を一切の批判なく受け止め、自分の耳へそのまま返してくれる「対話の場」があることで、初めて安心して深い層へと潜っていくことができます。もし「ひとりではうまく探究が進まないな」と感じたときは、ぜひコーチングセッションという安全な対話の場を活用してみてくださいね。

